# 東雲火山ベトナムを設立しました
# はじめに
株式会社東雲火山の代表取締役を務める告原です。2021年5月15日、株式会社東雲火山 (opens new window)の子会社として東雲火山ベトナムを設立しました。
まだWebサイト等が無いため本記事で会社概要を説明しますと、以下のような会社となっています。
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | SHINONOMEKAZAN VIETNAM COMPANY LIMITED |
社名(ベトナム語) | CÔNG TY TNHH SHINONOMEKAZAN VIỆT NAM |
住所 | L17-11, 17F, Vincom Center Dong Khoi, No.72 Le Thanh Ton Street, Ben Nghe Ward, District 1, HCM City, Vietnam. |
住所(ベトナム語) | L17-11 Tầng 17, Tòa nhà Vincom Center Đồng Khởi, Số 72 Lê Thánh Tôn, Phường Bến Nghé, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh, Việt Nam |
資本金 | 10,000USD |
代表 | NGUYEN THI THAI HAN |
代表をお願いしたHanさんは、告原がベトナムでやった1社目、CUVEL Softwareという会社の同僚です。
VSICの事業コードは6201, 7320, 7020で登録しています。ソフトウェア開発を行う会社で、まず最初に注力する事業としては、東雲火山側から依頼される開発業務、という立てつけです。
なお、住所はずいぶんいいところに作っていますがバーチャルオフィスなので、安いです。そのうち引っ越しもする、かもしれません。
# 背景
東雲火山はベトナムにすでに毎月相当量の発注を行っています。
ただし、この発注は基本的に代表の7年間のベトナム滞在経験に依存しており(一名だけ例外あり)、発注先は「代表が以前一緒に仕事をした事のあるベトナム人」に限定されています。
また、日越租税条約の範囲内で、ソフトウェア開発は問題なく発注ができますが、一方でデザイナーへの発注は日本での源泉所得税徴収がかかってしまうため、発注が法人にのみ限定されるという制約がありました。
発注できる人員も、現地でのマネージャーはつけられないためかなり力量の高い人員に限定されており、本来ベトナム人員を生かすために検討したい若い力を生かせる状態にはなっていませんでした。
これらの事情から、より効率的にベトナムとの業務を回すためには、現地法人の設立か、現地法人を持つパートナー企業との提携が求められていた、というのが東雲火山から見た設立背景です。
# 東雲火山ベトナムの狙い
まず、代表個人の考えとして、詳細な解説は省きますが「ベトナム人の能力を最も生かすには、ベトナムにいる方が良い」というのがあります。
周辺事情として技能実習生制度を取り巻く問題や、新型コロナウィルスの流行を受けて出ている帰国困難者によるニュース等にも心を痛めていた、というのもあります。
これらを踏まえて、東雲火山のベトナム活用戦略はベトナム在住ベトナム人を戦力化するという方針で一貫しており、その方針である限り現地法人設立自体は必然だという考えを持っています。
わかりやすく、一言でキーワードを記載するのであれば、「ベトナム最大化」。
それが東雲火山ベトナム設立の狙いです。
# 東雲火山ベトナムの事業
東雲火山ベトナムは以下5つの事業を担う計画としています。
- 親会社からの開発業務
- 日本側から提供を受けた商品の育成・展開
- 通訳、翻訳力を生かした現地支援
- 東雲火山ベトナムの自発的な商品展開
- 東雲火山以外からの受託業務
# 親会社からの開発業務
主力業務です。東雲火山から、東雲火山ベトナムに委託された業務を実施します。
東雲火山ベトナムは、自社内のリソースで開発管理、通訳・翻訳、現地の営業経路を抱え、これらのリソースと都度雇用または都度委託のベトナム人開発者を組み合わせて、開発業務を実施します。
本業務は親会社の営業成績に大きく左右されますが、事業全体の収支比率としては初年度は100%、5年後でも70%を見込む、主力中の主力業務です。
基本的な事業スキームとしては、東雲火山がベトナム側人件費の原価に50%を上乗せした金額、東雲火山ベトナムがベトナム側人件費の原価に20%を上乗せした金額で案件を回していきます。
東雲火山同様、直取引を希望される顧客は、いつでも直取引をしてもよいと言える価値を、このマージンの中でどう構築していけるか、というのが、東雲火山ベトナムの本事業における価値として評価される事になります。
# 日本側から提供を受けた商品の育成・展開
東雲火山側、または別の日本企業等から、ベトナムへの展開許諾を受けた商品の育成と展開を行う事業です。
例えば、東雲火山で制作したゲームをベトナム向け、あるいは海外向けに配信し、その広告費を売上として計上する、等が含まれます。
なるべく、ベトナム側で自走する力を期待したいため、そのまま展開するというよりは、東雲火山ベトナム側で修正した育成版を作り上げ、親会社とは異なる魅力を持つ商品として展開していってくれる事を期待しています。
# 通訳、翻訳力を生かした現地支援
金額としては小さいですが、主力事業を実施する過程でどうしても余剰が出てしまう通訳、翻訳力を生かした現地支援も実施します。
具体的には現地法人設立支援、現地視察のアテンド、現地企業の紹介、各種通訳・翻訳単体の実施等を想定しています(注: 設立後しばらく経ってから追加で許可取得をする必要のある事業が含まれています)。
# 東雲火山ベトナムの自発的な商品展開
「日本側から提供を受けた商品の育成・展開」からの発展形です。
東雲火山ベトナムの自走力が十分に高まった後で、自分達で商品を作り、売り上げて行く事業です。
もっとも、早くても3年目から売上計上開始としている、2021年03月現在ではまだまだ先の話です。
# 東雲火山以外からの受託業務
東雲火山ベトナムの事業が十分に魅力的になっているのであれば、東雲火山以外からの受託業務も十分にできるはずである、常に東雲火山から業務を受託しなくてもよい、という定義で設定されている事業です。
主力事業で東雲火山からの受託業務を取り回し、これにより日系企業に対する業務ノウハウを構築。
ノウハウを生かして、東雲火山以外の日系企業からの受託業務を取り回し、グループ会社ではない企業との業務ノウハウを構築。
ベトナム企業や、日本・ベトナム以外の業務も最終的には見込む事で、一人立ちを目指してもらいます。
どこまで上手くいくかはさておき、目標としてはその辺りを目指してやっていきましょう、としています。これも早くても4年目以降くらいからの売上として計画している、先の話になります。
# 実際のところ
立てつけは諸々と整理しつつ、まずは主力事業のみを回せるかを、最小の予算で判断する予定です。
上手く回りそうであれば、業務範囲を拡大していきますが、あまり上手くいかなそうであれば早期撤退もありえます。
設立の妥当性は十分にあると思うので、上手く生かしていけるといいのですが、東雲火山本体もまだまだ小さく安定している訳ではありません。
失敗を恐れず挑戦はしつつ、失敗と成功の判断はなるべく早期に、間違えないようにしていければ。
そういう気持ちで、少し早いような気もしつつ、この度東雲火山ベトナムの設立に踏み切った次第です。
蓋を開けてみないとわからないところもありますが、よかったら応援いただければ喜びます。
産声を挙げたばかりの東雲火山ベトナムと東雲火山を、今後ともよろしくお願いいたします。
2021年5月20日
株式会社東雲火山
代表取締役 告原豊和